例題17: 風速スイープによる Cd-Re カーブ(Aero Sweep 自動掃引)
「1 ケース解いて終わり」ではなく、風速を振って抗力係数のレイノルズ数依存性を 自動で取得します。例題2(円柱 Cd)と同じ構成をベースに、Aero Sweep 機能が 3 ケースをバックグラウンドで実行し、Cd-Re カーブと HTML レポートに まとめるまでを体験します。
この例題が確認しているのは、同一モデル・同一設定における StreamWright のパラメータスイープ機能と解析の再現性です。物理的な Cd-Re ベンチマークではありません(ベースケースである 例題2 の位置付けと制約を そのまま引き継ぎます)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解析タイプ | 単相流(非圧縮)・External(外部流れ)+Aero Sweep |
| ベースケース | 例題2 と同じ円柱(D = 100 mm・golden Cd = 0.7735) |
| 掃引パラメータ | 入口風速 0.5 / 1.0 / 2.0 m/s(Re ≈ 3,300 / 6,700 / 13,300) |
| メッシュ | snappyHexMesh・約 237,000 セル(Level 2・3 ケース共通) |
| 実行規模(目安) | K = 2 並列(各ケース 4 コア)・合計約 25 分・3 クレジット |
所要時間は目安です。実行環境・メッシュ規模・混雑状況により変動します。
この例題で学べること
- Aero Sweep の使い方 — ベースケースをロードし、9️⃣ Aero Sweep タブで 風速リストとメッシュレベルを選んで Run Sweep するだけ
- バックグラウンド実行 — 掃引は裏で走るので、ブラウザを閉じても継続。 再接続すれば進行状況・結果に戻れます
- Cd の Re 依存性 — 同じ形状でも風速で抗力係数が変わることをデータで確認
- 結果の再集計 —
Sweep_Run/cases/が残っていれば、掃引を再走せずに 「🔁 Re-aggregate」で集計・レポートだけ再構築できます
実行手順
- ex17_aero_sweep_cd.ofb.zip をダウンロードする
- StreamWright サイドバーの 📂 Load Project (.ofb.zip) にドラッグ&ドロップする (forceCoeffs の設定=対象パッチ・基準面積などもプロジェクトに含まれています)

- 9️⃣ Aero Sweep タブを開く
- Inlet velocity sweep:
0.5, 1.0, 2.0(既定値のまま) - Mesh refinement levels: Level 2(既定値のまま)

- 🚀 Run Sweep をクリック → バックグラウンドで 3 ケースが順に実行されます
- 約 25 分で完了し、Cd-Re カーブと HTML レポートが表示されます
期待される結果
| 風速 | Re | Cd | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0.5 m/s | 3,300 | 0.907 | 文献帯域 0.7–0.9 の上端近傍 |
| 1.0 m/s | 6,700 | 0.773 | 例題2 の golden 値 0.7735 と一致 |
| 2.0 m/s | 13,300 | 0.702 | 文献帯域内 |

生成される HTML レポートには Cd-レイノルズ数曲線がまとまります:

3 点とも有限円柱の文献帯域(Cd ≈ 0.7〜0.9・端効果で 2D 円柱の ~1.0 より 小さい)に収まり、Re の増加とともに Cd が緩やかに減る臨界前レジームの 傾向を再現します。特に v = 1.0 m/s は単発実行の例題2 と 4 桁一致しており、 掃引経路でも同じ解が得られることの確認になっています。
妥当性の確認(この解析は何を確認しているか?)
- 再現性(golden 照合): v = 1.0 m/s の Cd = 0.7733 が例題2 の golden 値 0.7735 と一致 — 掃引経路でも単発実行と同じ解が得られることの確認
- オーダー: 全 3 点が有限円柱の Cd ≈ 0.7〜0.9 帯域内
- 統計品質: 各ケースの Cd 標準偏差は 1e-4 オーダー(末尾サンプルで 十分に定常化してから平均を取っている)
⚠️ Cd の絶対値の物理的な正しさは、この例題では検証していません。 ベースケース(例題2)は定常 RANS で非定常な渦放出流れを解いており、 端部条件も孤立有限長円柱とは異なるためです。詳しくは 例題2 の位置付け を参照してください。
自分の問題に応用するには
- 自分の形状で Cd-Re カーブ: 外部流れ + forceCoeffs を設定した任意の ケースが Aero Sweep のベースにできます(車体・建物・機器筐体など)
- メッシュ独立性の確認: Mesh refinement levels を複数チェックすれば 「メッシュを細かくしても Cd が変わらないか」を同じ仕組みで検証できます
- 点数を増やす: 風速リストはカンマ区切りで自由に増やせます(実行時間は ケース数に比例)
- 自分のジオメトリで解くには: 物体の形状だけを用意する外部流れの構成は ジオメトリ準備ガイド 第2章(外部流れ) にまとめています
ベース: fixtures/external_flow/cylinder(例題化時に掃引再検証: 2026-07-19・ Cd = 0.907 / 0.773 / 0.702・v=1.0 が golden 0.7735 と一致・全点文献帯域内)